水鳥のひとかき

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ってことで『めがね』です。(長いよ)

脚本・監督 荻上直子
主な出演者 小林聡美 市川実巳子 加瀬亮 光石研 もたいまさこ * 薬師丸ひろ子


『かもめ食堂』の佇まいに魅かれて、同じ荻上さん、小林さん、もたいさんの作る映画と言うことで観に行きました。
その他の俳優さんもみんな好きだったし。。。
小林さんと市川さんという顔ぶれで、大好きだったテレビドラマ『すいか』に通ずるものを期待してたかもしれません。

不思議な映画でした。


とある南の、美しい海のある町へ、小林さん演じる旅人(タエコ)がやって来るところから始まります。
そのタエコが、光石さん演じるユージの経営する宿「ハマダ」。
もたいさん演じるサクラも「ハマダ」に宿泊して、春の間だけ海岸でかき氷を売っています。
なぜか、市川さん演じる近所の高校教師(ハルナ)も、しょっちゅう「ハマダ」に食事をしに来ています。
みんなで朝ご飯を食べている時に、タエコが訊きます。
「ここはどんな観光地があるんですか?」
3人とも不思議な顔をします。
「観光するところなんて、ここにはありませんよ。」
「たそがれないのに、ここへ何しに来たんですか?」
最初は「こんなとこは無理」と、宿を移ろうとするタエコでしたが、結局「ハマダ」へ戻って来ることになり、少しずつここでの暮らしに馴染んで行きます。
そんなある日、タエコのことを「先生」と呼ぶ、加瀬さん演じるモエギがやって来て、「ハマダ」は5人になります。。。



ここまでも、このあとも、これと言ったことは起きなくて、
5人で浜辺でかき氷食べたり、ビール飲んだり、「メルシー体操」なる妙な体操をしたり(これは他の住人さんも参加)、ちょっとずつ語らったりするだけです。
登場人物の感情もずっとフラットで、出会いでタエコが不快感をあらわにする以外は、新参者のタエコがどんどん馴染んで行くことに、ハルナがちょっと嫉妬したりするくらいです。
そして、彼らについての説明は、いっさいなしです。

なぜ、タエコは「携帯のつながらない場所」に来るために、旅に出たのか。
なぜ、ユージはお客さんの来なさそうなところで、民宿を営んでいるのか。
なぜ、サクラは春の一時期だけ、かき氷を売るためにやって来るのか。
なぜ、ハルナは時々高校をサボって、「ハマダ」に入り浸ってるのか。
なぜ、モエギはタエコを「先生」と呼ぶのか、なぜ、わざわざ追いかけて来たのか。

5人に共通してわかっていることは、みんな「旅人」であること。
ユージもハルナも、どこかからこの町にやって来た人のようです。


始まってしばらくは、タエコが感じていたのと同じ「苛立ち」のようなものが、私の中にもフツフツと沸いて来ました。
「そっちだけ総てわかってて、勝手にそっちのペースで運ばないでよ〜」
そんな感じでしょうか。

でも、だんだん、タエコが馴染んで行くのに少し遅れながら、私もこの世界に不思議に馴染んで行ったのでした。

明るい青の海の色を、ずっと写してるシーン。
5人が浜辺でサクサクと、かき氷を食べてるだけのシーン。
海を見ながら、モエギが唐突にドイツ語の詩をそらんじるシーン。

まるで『退屈してくださーい』とでも言わんばかりのそれらの映像は、
微かな振動しかないように見えるのに、私の心臓を波のように揺すったのでした。
ちょっとだけ収まりの悪い、心地よさで。


あれは、すぅーっと眠りに入るときの、一瞬前の感覚に近いのかな、と思いました。


結局、
「説明なんて要らないんだ。今、そこにいる、それだけでいいんだ。」
ということなんだと、妙に納得してしまう映画でした。



。。。きっと、そう思って欲しいんでしょうね、私も。



この映画にも、「かもめ食堂」がそうであったように、美味しそうでシンプルなお食事が何度も出て来ます。
卵料理が大好きな私は、朝食のスクランブルエッグやオムレツにノドの鳴る音がしたのですが、
バーベキューの立派なお肉や、豪快にゆでられた伊勢エビには、なんの感情も湧かなかったので、
やっぱり自分はグルメじゃないんだな、ってことが残念ながらはっきりしました。
あぁそうそう、かき氷用に丁寧に炊かれていた小豆は、鍋ごと抱えて食べたかったです。。。




現代社会では、「たそがれる」のって、けっこう怖いですよね。

でも、なんだか羨ましくなってしまうのは、
どこかで何かに合わせようとして生きているからなのかな。


そんなふうに、ふと考えてしまう、映画でした。(深刻にならずに、ね)




ん〜〜やっぱり『かもめ食堂』が観てみたくなったぞ。。。

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by mizu_dori | 2007-10-19 23:00 | 芝居・映画

文化の秋・・・なのか?

一度に、ご馳走を続けざまに食べると、それぞれの美味しさがボヤケてしまうってこと、ありますが。。。


映画や舞台も、そういうことってあるのかも。


お出掛け苦手な私が、何を血迷ったか7日間に3回も観劇(舞台2回と映画1本)しちゃったのであります。
ただでさえ書くのノロいのに・・・・・ブログアップ、追っつかない〜〜。

えっと、とりあえず何を観たかって言うと。。。
 10/3「ライト三兄弟」KKP(Kobayashi Kentaro Produce)
 10/6「郵便配達夫の恋」(原作 真柴あずき 原案・脚本 砂本量 演出 吉川徹)
 10/8「めがね」(脚本・監督 荻上直子)


それぞれ、どうして観に行きたかったか、と言うと。。。

「ライト三兄弟」
プロデュース(作、演出も)して出演もしてる小林賢太郎さんが、以前から気になる人だったから。
名古屋で彼の舞台があると知って、思わず平日の夜にもかかわらずチケット取っちゃいました♪

「郵便配達夫の恋」
出演者に、大好きな役者である西川浩幸さん(演劇集団キャラメルボックス)が出てるからに尽きます!
おまけに原作も、同じキャラメルの真柴さんだし♪

「めがね」
観逃してすごく気になってた映画、「かもめ食堂」のチームが作った映画だったから。
小林聡美さんって、「転校生」の頃から、いつ観ても”いい”んですよね。。。


ってことで、これは「予告編」であります。

でも、それぞれの感想を書けるかどうかわからないのであります。
書けてもきっと簡単になっちゃうだろうと思われるのであります。
最近、失語気味なのであります・・・。
多分。。。いろんな場面で自分を押さえ込んでるんであります…かな?

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by mizu_dori | 2007-10-14 14:31 | 芝居・映画
母が主役の大ファンなので、映画『HERO』を観て来ました。

名古屋駅前に新しくできた、ミッドランドスクエアシネマってとこに行ったんだけど、
人の集まる場所だったからなのか、どこの映画館でもそうなのか、
公開6週めにして、まだまだ満席でありました。凄い〜〜〜。

で、感想は。

いやぁ〜〜〜キムタクは久利生公平だとカッコいいんだ!



・・・今、恐ろしい数の女性を敵に回しましたか?



ほんとに素直に、「久利生公平って、かっこいいなぁ」って思ったんです。
それって『HERO』っていう映画として、成功してるってことかなって思います。


もともと、キャスティングがいいんですよね。
東京地検城西支部メンバーのキャラクターがうまくできてて、
それを巧い役者さんがキッチリ演じてるから、
主人公のキャラクターもさらに輝きを増してる・・・そんな気がします。

あ、もちろん木村拓哉さんの演技もよかったですよ。
最後の法廷での長台詞は、グッと来ましたもん。
(例の、「これは命の重さを知るための裁判なんです!」につながるセリフです。)


そんな、登場人物の魅力が、この映画の魅力なんだなぁって思います。

逆に言えば・・・
ドラマの頃からそうだったんだけど、脚本には不満があるんですよね。

今回は、松本幸四郎さん演じる、久利生と戦う蒲生弁護士の描き方。
う〜んめちゃくちゃ不満です。
なぜ、この人がこの弁護を引き受けるのか、が、まるでわかんない。
そう言う人として描かれてない、または描き足りない、んですよね。

【…映画まだの方、ちょっとネタバレあります…】

悪徳代議士花岡(タモリさん、ヤな役〜〜)を守るために依頼された弁護。
そこには正義も何もないのです。
総てわかってて、ウソの弁護をする。

そんなヤツ、金だけが目当てで弁護士やってるとしか思えないんですけど〜。
なのに蒲生さんのこと、久利生は軽蔑もしないんですよね。
それどころか、なんだか、リスペクトすらしてる。
もちろん、普通に傷害致死事件を起こした青年を弁護するための裁判であるなら、
依頼を受けた弁護士として、蒲生さんのやってることは正しいのでしょうね。
でも、依頼したのは青年じゃなくて、代議士秘書だったじゃ〜〜ん。

幸四郎さんだから許されるとでも思ってんのか、フジテレビジョン!

。。。と、ちょっとだけ小骨がのどに刺さっちゃったのでありました。
ま、幸四郎さんがやると、納得させられそうになっちゃうんですよね(汗)

他にも、香水の件はあれでいいの?、とか、
USBはどうなったの?、とか、
消化不良のネタがあったりするのは、明らかに詰め込み過ぎだと思います。
韓国に行った意味なんて、ラストに引っ掛かっただけだもんね。(暴言)


それでも、2時間はあっという間でした。
素直におもしろかったし、上に並べ立てたようなことは、「ま、いっか」と流して楽しんでしまえたのでした。
城西支部の面々のやりとりだけで、チケット代の3分の2は稼いでます。
法廷シーンはスカッとするしね♪


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          <私を楽しませてくださった城西支部の皆様>


。。。雨宮舞子のように、プリプリしてても可愛い女性っていいな。(ボソッ)

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by mizu_dori | 2007-10-01 00:48 | 芝居・映画

水鳥が思いついたらちょぼっとかく雑記です。


by mizu_dori